株式会社CAC Holdings

HOME > News > 海外連結子会社に関する損失計上の再発防止策について

ニュース

海外連結子会社に関する損失計上の再発防止策について

2016/08/12

株式会社CAC Holdings

 当社の海外連結子会社であるAccel Frontline Limited(本社:インド国チェンナイ市、ボンベイ証券取引所およびナショナル証券取引所上場、以下、AFL)では、2013年3月期から2015年3月期にわたる3年間の売掛金に関する調査を実施した結果、平成28年2月9日付「海外連結子会社における業績に関わる発表のお知らせ」にて公表しましたとおり、貸倒引当金として計上が妥当な売掛金等の存在が判明しました。

 本件に対し、当社では外部有識者を加えた諮問委員会を平成28年3月15日に設置し、再発防止策の検討等に取り組んでまいりました。このほど、諮問委員会より受領した提言を基に再発防止策を策定し、本日の当社取締役会において決議しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.本件の経緯および概要

 当社は、平成25年12月にAFLへの資本参加を決定し、平成26年3月にAFLを連結子会社といたしました。グループガバナンス向上のため、平成27年よりAFLの監査法人を当社監査法人と同一グループの監査法人に変更するとともに、当社から派遣していた取締役による管理強化を実施していたところ、回収可能性の低い売掛金の存在が判明しました。当社からの要請に基づき、AFLは2013年3月期から2015年3月期にわたる3年間の売掛金に関する調査を、Deloitte Touche Tohmatsu India LLPを独立監査人として開始したところ、調査の中間報告において貸倒引当金計上が妥当な売掛金等の存在が判明しました(平成28年2月9日付「海外連結子会社における業績に関わる発表のお知らせ」)。

 この調査の最終報告は平成28年3月14日(インド時間)にAFL取締役会に提出され、AFL取締役会は必要な措置の検討を開始しました。売掛金には、回収可能性の低いものが多く含まれていましたが、この不適切な会計処理は創業経営者であったN. R. Panicker氏の管理・監督下で発生していたことから、AFL取締役会は代表取締役会長(Executive Chairman)であったPanicker氏の会長職務を停止しました(平成28年3月22日付「海外連結子会社による発表に関するお知らせ」)。なお、Panicker氏は平成28年3月31日の任期満了をもって取締役を退任しています。

 AFLにおける不適切な会計処理による当社決算への影響額は、平成27年12月期にて特別損失に計上した関係会社事業損失7億36百万円およびAFLのれんの減損損失6億53百万円、平成28年12月期第2四半期累計期間にて特別損失に計上したAFL事業基盤改善費用6億2百万円です。

 なお、この度の事態の重要性に鑑み、当社取締役会長、代表取締役社長および取締役1名から役員報酬の一部について自主返上の申し出があり、報酬月額一部の返上を一定期間実施しました。

 

2.再発防止策

 当社ではこの度の事態を厳粛に受け止め、社外取締役を委員長として、外部の弁護士、公認会計士を委員とする諮問委員会を平成28年3月15日に設置し、再発防止策の検討等に取り組んでまいりました。今後は、諮問委員会より受領した再発防止に関する提言を基に策定した以下の再発防止策を確実に実行し、同様の事態が二度と起こることのないように取り組んでまいります。

(1)企業買収プロセスの強化

 AFL買収検討時に実施したデューデリジェンスにおいては、海外企業、特に新興国企業を適切に評価するには不十分であった可能性があると認識しています。

 これを踏まえ、今後は国ごとに異なる法制度や税制、会計基準の相違などを十分に考慮したデューデリジェンスを実施するべく、ガイドラインおよび精査項目リストを作成し、これらに則ったデューデリジェンスを実施します。また、デューデリジェンス委託先の選定ポリシーを作成し、適切な委託先を起用します。

(2)企業買収後の統合プロセスの整備

 AFLが上場会社であることから、買収後もAFLによる自律的な経営・運営に任せるなど、内部管理体制に過度の信頼を置いていたと認識しています。

 今後は、買収後には速やかに事業や本社部門の実態を掌握する体制を整備し、状況によっては、買収後に改めて財務・法務などのデューデリジェンスを実施します。また、買収企業の会計監査人等の選定に関するポリシーを策定します。

(3)海外子会社管理の強化

 海外子会社管理を担当する専任組織の設置や、外部専門家の利用などを検討し、海外子会社管理機能を強化します。また、定期的に海外子会社の財務・法務などの実査を行うことで会計の適切性やコンプライアンス状況を確認するとともに、牽制機能を強化します。

 また、海外子会社が最低限遵守すべき会計処理上の手続き(ミニマムルール)の策定・適用を検討し、不適切会計の防止につなげます。

 海外子会社へ派遣する役員や管理担当者、海外子会社の役員や管理職などに対しては、当社グループ会社として遵守すべき事項を明確にするとともに、不適切会計防止などのリスク管理やコンプライアンス、ガバナンスに関する教育・研修を充実させます。また、海外子会社を含めた内部通報制度を整備し、周知・活用を図ります。

 

 この度の事態により、株主の皆様をはじめ関係者各位に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めてお詫び申し上げます。今後は皆様からの信頼を取り戻すべく、当社グループでは再発防止に取り組んでまいりますので、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

以 上

問い合わせ先:経営管理部 広報IR 03-6667-8010